昨年に続き、今年は11月8日に皆既食が起こります。月食は一晩のうちに月が欠け、再び満ちていくように見える現象のことです。毎年必ず見ることができるわけではありませんが、数年に1度程度は観測のチャンスが巡ってきます。特に皆既食の際は、赤銅色(しゃくどういろ)に輝くことで知られており、注目を集めます。
(月食の仕組みについては、こちら をご覧ください。)
○皆既食の継続時間
昨年5月に見られた皆既食と今年の11月8日に起こる皆既食の最大の違いは、その継続時間の長さです。昨年の皆既食の継続時間はおよそ19分しかなかったのに対し、今年は1時間26分もあると考えられています。地球の影の端を月が通過するのか、中心部分を通過するかでこんなにも違うのですね。
(図1 参照)今年は皆既食の継続時間が長いので、観測できる確率は高いと言えるでしょう。
図1 2021年に起こった皆既食と2022年に起こる皆既食時の月の動き
○福井での見え方
昨年と同様、今回も福井では月が欠けた状態で昇ってくる「月出帯食(げっしゅつたいしょく)」となります。東の空が開けたところで月の出を待つと、欠け始めた月が見られるはずです。(表1 参照)今回を逃すと次回の月食は、来年10月の部分月食まで待たないといけません。ぜひ防寒の準備をしっかり行い、赤銅色に輝く独特の月を眺めてみてくださいね。
表1 福井の月の出・日の入りを含めた月食予報(参考:国立天文台 暦計算室)